美術館概要

About Museum

館長あいさつ

 鷹山宇一記念美術館は、青森県七戸町出身の洋画家・鷹山宇一(1908-1999)の画業を顕彰して1994年8月1日に開館いたしました。
 常設展では、鷹山が生涯作品発表の場としてきた二科展での出品作を中心に、制作活動の根幹と成したおびただしい数のデッサンなども順次展示をしています。
 また、鷹山は旧制青森中学時代、知遇を得た棟方志功らと共に木版画の道を歩み、若い時から版画家として高い評価を得て版画王国・青森県の礎を築きました。
 年に2度ほど行われる特別展では壁面積の関係で鷹山作品を陳列できないこともありますので、事前にご確認くださいますようお願い致します。
 若い頃からガラスの透明感に憧れ続けてきた鷹山は長きにわたって西洋オイルランプの蒐集をしてきました。「ランプ館」に飾られている19世紀後半の優美な装飾を施した洋燈の美しさをぜひご堪能下さい。
 このほか、町内の古刹・見町観音堂、小田子不動堂所有の国指定重要有形民俗文化財である「絵馬、羽子板」などを保存している「絵馬館」、スペイン陶器、ガウディ設計の椅子などをご紹介する「スペイン民芸資料館」があり、小さな町の小さな美術館でありますが皆様方の「精神の館」になれる美術館として歩み続けてまいります。

七戸町立鷹山宇一記念美術館
館長 鷹山ひばり

父の言葉

父・宇一はこの美術館ができたとき、次のように喜びを語りました。

 画人の生命も仕事も限りがあります。だが、作品は適切な管理がなされれば、何年でも生き続けることができます。
 美術館ができたお陰で、いままでの仕事を整理する『時』が与えられ、作品の落ち着き場所を見極められたことは、晩年のわたしにとって仕合せなことでありました。
 世界中に、あまたの画家たちが存在するなかで、自分の名が賦与された美術館をもつ作家は、はたしてどれだけいるか。
 このことは老骨のわたしにとってなによりの名誉であり、どんな勲章を授与されるよりも価値のあることでした。
 信念をもって己の道を行く若者たちの一光になればと念じつつ、郷里七戸町に感謝の思いを込めて。

鷹山 宇一

「人間はうまれてきただけで価値がある」と言い続けてきた宇一の言葉を重く受けとめ、次世代を担う若者たちが何の衒(てら)いもなく、文化や芸術が深く浸透している生活を送って欲しいと切に願っています。

鷹山宇一長女・鷹山ひばり

© 秋山庄太郎写真芸術館

© 秋山庄太郎写真芸術館

小さな世界

小さな世界

1993(平成5)年、キャンバス・油彩、72.8×60.8cm1993年春季二科展